ベルサイユ宮殿

1階部分はそっけない通路で、2階に各種謁見の間から、王族の居室まで、部屋が続く。宮殿に廊下はなく、奥に行くには次々と部屋を通る必要がある。
王族にはプライバシーはなく、起床から就寝まで全て公開。信じ難いが、マリーアントワネットは お産まで公開だったそうだ。
宮殿は巨大だが、ゴシック教会の様に彫刻・ステンドグラスで圧倒する意匠ではなく、室内の工芸的な装飾で、華麗さを演出している印象。女王の間の壁紙等は繊細で見事。現代アートを所々に配しているが、鏡の間では、余分に感じた。


庭園

花壇、樹木、通路の街路樹ともに全てが徹底して幾何学的に整形されている。

宮殿の左側はオレンジ温室になっており、巨大なポット植えの蜜柑の木が、 冬は室内、夏は屋外で太陽が満遍なくあたる様移動させながら育てられた。

庭園はとにかく広大で、時間と体力の制約から、一部しか回れなかった。運河に向かって右側の庭の噴水を見学しながら、大トリアノンに向かった。


大トリアノン

王の生活は宮殿で全公開との事だが、実際は、プライベートな建物としてこの離宮が建設され、ルイ14世が愛人と会ったり、家族と過ごしてい。 
 平屋の宮殿だが、庭園も含め、十分立派で、且つ居住性にも配慮した建物。
庭の花壇も手入れが行き届き、気持ちの良い離宮。


プチトリアノン

ルイ15世が愛妾ポンパドール夫人の為に建設。大トリアノンより小ぶりだが、居住性をよりヒューマンスケールにした、邸宅といった印象。内装は繊細、華麗で、家具・調度品も趣味の良い贅を尽くした品が展示されている。
宮殿に続く庭園は、マリーアントワネットが建設させたもので、池の周りに農村を模した建物を配し、安らぎを感じさせる景観。眺望が自然に見えるように計算された設計のイギリス庭園。 整形庭園の後ではほっとする。